インターネットビジネス 最新キーワードとは?

■郵政省の発表によれば、インターネット市場(消費者向け)は1700億円程度らしい。もっとも通産省は650億円といっているから、まあ足して2で割った千億円程度と見ておけば間違いないだろう。ちなみに、通産省はエレクトロニックコマースという言葉を使うし、郵政省はサイバービジネスという言葉を「公用語」としている。こんなところで意地を張り合う必要はないと思うのだが・・・
●3つのキーワード ところで千億円といえば、都心の百貨店なら1店分の規模であり。日本のネットビジネスひっくるめても、まだこんな程度です。量的にはまだまだ大したことはないと思われます。だが質的な影響はすごい。リアルのビジネスに与える影響ははかりしれないし最近流行っている3つの言葉を紹介しましょう。
■バイヤードリブンモデル 買い手が主導権を握るモデルのことであります。例えば、「指し値モデル」「オークションモデル」「原価明示モデル」「共同購入モデル」などがそれに当たります。価格決定権も含め、買い手(消費者)が主導権を持ってしまう。例えば自動車保険の保険料を消費者が決めてしまうようなものであります。最近のインターネット界の寵児は「プライスライン」というところなのだが、ここでは指し値ショッピングが可能です。いわば予算表明型購買モデルであります。「ワタシは住宅ローンを0.1%の金利で借りる」と表明するようなものです。これが銀行の実店舗なら、頭を叩かれるのがオチだが、インターネットは違う。業者ネットワークさえ作っておけば、中には0.1%で良いという金融業者だって出現するです。
■フリクションフリーコマース フリクションとは摩擦のことであります。インターネットとは「フリクションフリー・キャピタリズムだ」とあのビル・ゲイツが言ったという噂なのですが、文字通り摩擦やストレスの発生しないビジネスの仕組みのことです。誰にとってかといえば、やはり消費者にとってであります。購買プロセスにおいて、十分な情報収集、価格も含めた情報比較を可能とし、いつでもどこからでもアクセス可能な購買場面を提供することなのです。要するに、これまで実店舗の商売で消費者がこうむってきた、不満足を解消するビジネスモデルがインターネットだという考え方なのです。 例えば自動車保険の継続などはフリクションフリーのアンチテーゼのような場面であります。代理店さんは、継続が当たり前と決めてかかり、会社お勧めの商品情報しか持ってこない。その情報も不十分で、競合との比較はもちろん、価格体系の納得いく説明も少ない。1年に1度更新直前に現れ、ハンコを押させたら逃げるように立ち去ってしまう売り方がいつまでも続くわけがないと思います。インターネットのビジネスモデルはこれまで当たり前であったが、しかし実世界のビジネススタイルの矛盾点を浮き彫りにしてしまいます。 何も保険に限ったことではないですが。食品などのケースも同様で。ダイエーなどのスーパーに行くと、「有機食品」「オーガニック食品」と銘打って、「○○さんの農場で作ったネギ」などという売り方をしていますが。だがリアルの店では、情報提供には限度があり。せいぜいパンフレットがつく程度。一体○○さんがどのような作り方をしたのかはわからないですよね。これで偉そうに「オーガニック」と称して売ること自体、フリクションやストレスの種となる訳です。好きなだけ情報提供が可能で、それが消費者の信頼をかち得る大きな要素となるのがインターネットの特徴です。このギャップに消費者が気づいてくれば、リアルの世界の従来の商法の矛盾や欺瞞がこれまた浮き彫りにされてしまうでしょう。
■コンシューマー・セントリックモデル これは消費者中心、消費者が偉いといった意味です。これもネットで幅を効かせているビジネスモデルです。バイヤードリブンモデルと似ているが、例えば、ユーザーフレンドリーなページデザイン、店作りの方針といった意味も持つ。技術を駆使して、消費者に「ちょっとした親切を提供する」というのが今のはやりですが。例えばあるチケット屋さんでは、ネット上で自分の買った席をパノラマ画面で確認できますよね。あるいは洋服屋さんでは、自分のサイズを入力すると立体モデルが出てきて、試着をすることも可能です。ただし、これらの技術はあくまで「ちょっとした親切」や「選択のお手伝い」のためであって、これを売り物にしているわけではなのです。この点がただの技術志向に走りやすい日本企業との違いでもあるのです。 いずれにせよ、今のインターネットの流れはリアルのビジネスの矛盾点、高コスト構造、陳腐化した流通チャネルの矛盾等を浮き彫りにしそうなのです。保険などは真っ先にこの影響を受けると思われます。リアルの世界のビジネス手法があまりに「従来の常識」を引きずっているからなのです。
ところで米国でも成功企業と失敗企業とがあります。後者は「伝統的企業」が多いとされますが、その失敗の理由は次のとおりです。 ・共食いを恐れる(例えば代理店の従来のチャネルとインターネットで行う直販との共食いを恐れる)。ただし恐れている間に他社に食われてしまったりする。 ・カルチャーを変えない(従来の発想を変えずにインターネットに参入する) ・アクションが遅い(ネットでは致命傷) ・絞りきれず(いつまでも従来のビジネスとネットとの顧客像の違い等を議論していたりする)。 こうした理由は日本企業にもぴったりあてはまり。この失敗要因は日本企業ではさらに強調される、と見たほうがよいでしょう。最近は数々のインターネット関連セミナーで保険会社の人を見かけますが。だが勉強の前にまずは体質改善も必要なことを理解すべきだと思いますが・・・。
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